クロイさん
2003年1月25日私がぜんざいを食べていると、
ぴんぽーん
誰か来た。
近頃妙な来客ばかりなので無視していると
ぴんぽんぴんぽんぴーんぽーん
連打ですか。
連打してでも私に会いたいんですか。
とりあえず出てみた。
「はい。」
「やっほー。クロイだよー。」
「えっ?あのクロイさん?」
「そうだよ。あのクロイだよー。」
とりあえず上がってもらって、
あまっていたぜんざいを出した。
「ありがとー。ミイコ全然かわってないねー。」
「クロイさんも全然かわってないよー。」
私とクロイさんは昔の話で盛り上がった。
「ところでさー、クロイさんって今なにやってるの?」
「え?」
「あの時、《私は世界一の弓手になる!》って言ってでていったでしょ。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・あのさ、ミイコ。」
「何?クロイさん。」
「あのね。実はあたし・・・死んでるんだ。」
「やっぱり・・・。足が透けてるもん。」
「それでもあたしはあんたに会いたかったんだ。
世界一の弓手になれたよって言いたかったんだ。」
「・・・」
「もうあたし、行くよ。
言いたいこと言ったから。
あたしはここにいてはいけないから。」
「うん。私、クロイさんのこと、忘れない。」
「あたしもミイコのこと忘れない。」
クロイさんは消えた。
クロイさんがいた場所には、クロイさんが大切にしていた小さなぬいぐるみが落ちていた。
ぜんざいはすっかり冷えていた。
ぴんぽーん
誰か来た。
近頃妙な来客ばかりなので無視していると
ぴんぽんぴんぽんぴーんぽーん
連打ですか。
連打してでも私に会いたいんですか。
とりあえず出てみた。
「はい。」
「やっほー。クロイだよー。」
「えっ?あのクロイさん?」
「そうだよ。あのクロイだよー。」
とりあえず上がってもらって、
あまっていたぜんざいを出した。
「ありがとー。ミイコ全然かわってないねー。」
「クロイさんも全然かわってないよー。」
私とクロイさんは昔の話で盛り上がった。
「ところでさー、クロイさんって今なにやってるの?」
「え?」
「あの時、《私は世界一の弓手になる!》って言ってでていったでしょ。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・あのさ、ミイコ。」
「何?クロイさん。」
「あのね。実はあたし・・・死んでるんだ。」
「やっぱり・・・。足が透けてるもん。」
「それでもあたしはあんたに会いたかったんだ。
世界一の弓手になれたよって言いたかったんだ。」
「・・・」
「もうあたし、行くよ。
言いたいこと言ったから。
あたしはここにいてはいけないから。」
「うん。私、クロイさんのこと、忘れない。」
「あたしもミイコのこと忘れない。」
クロイさんは消えた。
クロイさんがいた場所には、クロイさんが大切にしていた小さなぬいぐるみが落ちていた。
ぜんざいはすっかり冷えていた。
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